2020.12.29

キャットフレンドリークリニックとして

当院での具体的な取り組みについてお話します。

①待合室・診察室・入院室の分離

「犬を怖がっちゃってかわいそうだから、なるべく病院に連れて行きたくない。」
という猫のオーナー様の声、本当に多くきかれます。
元々一緒に暮らして慣れていれば別ですが、もし初めて犬に出会う場合、
大きな音(鳴き声)や初めてのことが苦手な猫にとっては、
とても大きなストレスになります。
やはり猫は犬が少し苦手といえそうです。
当院では、待合室→診察室→入院室と、猫と人間以外には極力接しないよう、
全て猫専用に分けて配置しています。

②待合室の工夫

地面を歩く知らない足音や振動も猫をドキドキさせます。
待合室ではケージと並んで腰掛けていただけるよう、椅子ではなくベンチにしています。
ブランケットをかけて目隠ししてあげると落ち着きます。
またフェリウェイという猫のフェイシャルホルモンの製剤も常時拡散させています。
猫が頭をこすりつけてなわばりを示すときに出ているホルモンで、
少し安心する効果があるそうです。

③入院室の工夫

入院室には猫専用の入院ケージを設置しています。
一般的な入院ケージはお掃除のしやすいピカピカのステンレス製ですが、
猫はそんなにお部屋を汚しませんし、こちらは木製となっています。
おうちで過ごすのと同じような感覚で過ごしてほしいので、
あたたかく、ピカピカせず、縦にも横にも移動が可能という、
猫の気持ちに寄り添ったこのケージを選びました。
キャットフレンドリーの基準には、「ケージ内には猫の隠れ場所を設けること」
と記載されています。
ケージやベッドで、身を隠す待避所をつくってあげると落ち着くようです。

④好きこそものの上手なれ?

CFCの基準には、ハード面だけでなくソフト面についてもかなり詳しく言及されています。
ねこ医学の勉強をたくさんすること、というのはもちろんですが、
猫にストレスをかけないようにハンドリングを行うこと、
個性に合わせた細かな入院管理を行うこと、
ソフト面の充実は、猫を思いやることから全てが生まれてくると思います。
当院の強みは何より、スタッフみんな猫が大好きなところです。

ご来院され、こうだったらもっと良いのに、などご意見がありましたら
どんどん教えて下さるとありがたいです。
スタッフ一同、今後も努力を続けて参ります。